造物主の掟

ってことで、タイタンにまつわるSF。J。P。ホーガン著。地球は国会体制が現在と全く異なる状態。地球の1政治団体が送ったタイタン探査機が到着。しかし速攻探査機は故障(というか、壊された)。これに対応するため、地球から人間の調査隊が送られることに。衛星調査なのに、なぜか心理学者が調査隊に加わることに。さらに、自称超能力者なる詐欺師が一党を率いて参加。その理由は、なんと、タイタン上にロボット型人工知性体からなる、西洋風封建国家群が形成されており、これを手なずけ、新たな安価な労働力として搾取するためだった(心理学者は、詐欺師の雇い主の反対勢力から送り込まれていたらしい)。
んで、ロボットは、これがうまい設定であることに、「ロボットの製造データがロボット本体に一部分(約半分)が入ることになってしまっていた。そこで、ちょうど1セットとなる個体Aと個体Bがそろったとき、新たな個体が作成可能」という、まさに有性生物の遺伝子情報と同じ発想で作られている。それに、「超能力」な詐欺手法が加わってモーゼの海渡り的奇跡の演出をタイタン上に展開したりする。
途中から監視役だったはずの心理学者と同盟して、詐欺師が元雇い主に反抗した行動になっていく過程もなかなか見物。